妊娠中のトラブルである前置胎盤は、通常着床する部分より下の方に着床し胎盤ができてしまう状態です。
胎盤が子宮口をふさいでしまうため帝王切開での出産になりますが、予防することが難しく誰にでも可能性があります。
今回は前置胎盤の症状や治療法などについて紹介します。
・前置胎盤の症状
妊娠中に性器からの出血がありますが、痛みがなく突発的に起こります。
最初は予告出血や警告出血という少量の出血があり、その後に大量の出血が見られます。
また、胎盤が子宮の下の方にあることから胎児の頭が骨盤に入り込めなく高い位置に存在するため、骨盤位(逆子)などの胎位異常も起きやすくなります。
・いつ診断される?
妊娠初期は胎盤が低い位置に見えたとしても、子宮が大きくなるにつれて子宮頸部が伸びていくため胎盤の位置が上の方にずれていくように見えます。
超音波検査で行いますが、あまり早く診断すると正確な診断ができないため妊娠21週から24週以降まで待ってから胎盤の位置を確認します。
・なぜ前置胎盤は良くないの?
子宮体部(子宮の奥)に胎盤ができるのが普通ですが、子宮頸部(入り口)は妊娠週数が進むにつれて伸びていくのでこの部分に胎盤があると子宮の壁と胎盤の接しているところが物理的にズレが乗じて胎盤から出血を起こします。
大事な胎盤から出血すると母子ともに危険な状態になります。
また子宮内膜は層になっていて、胎盤は脱落膜に変化したところまで血管の根を降ろします。
着床が子宮の下の方になると内膜が薄いため、血管が子宮の筋肉や子宮頸部本体まで達してしまう可能性が高くなります。
胎盤は出産すると剥がれて排泄されますが、子宮の筋肉に入り込んで簡単に剥がれなくなってしまいます。
この状態を癒着胎盤と言い、産後の大量出血に繋がってしまうので危険です。
・診断方法
前置胎盤の可能性がある場合、一般的な内診は行いません。
柔らかい胎盤の裏側を触ってしまうことになり、大出血につながってしまうからです。
分娩前や手術前に前置胎盤に癒着胎盤が合併しているかは完全に調べることができませんが、MRIなどの検査をすることがあります。
・どんな治療をするの?
出血があれば入院して体調を管理する必要があります。
出血がなければ外来管理になりますが、出血がいつ起きてもおかしくないので入院準備をしておきましょう。
出血がなくても妊娠30週には安静目的で入院することが多いですね。
分娩はほぼ帝王切開になり、出血が多くなければ可能な限り正産期まで妊娠状態を保ちます。
途中で大量出血があった場合緊急の帝王切開が行われることもありますね。
臨月まで出血がない場合は予定を決めて予定帝王切開術を行いますが、大量出血に備えて自己血貯血をします。
癒着胎盤が予想以上にあり剥離が難しい場合、胎盤を残して抗癌剤で胎盤を縮小させるか、剥離はできても止血が難しい場合は救命目的で子宮全摘手術を止む得ず行うこともあります。
前置胎盤はリスクがあるため大きな病院での処置となりますが、不安なことは医師に相談し落ち着いて出産に臨みましょうね。
baby bryce / halahmoon
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