つわりがきっかけで妊娠に気付く人がいるほど、つわりが起こるのは普通のことです。
しかし日常生活に支障をきたすほどのひどいつわりは、「妊娠悪阻」と診断されつわりとは区別されます。
妊娠中の体にとっては一刻もはやく改善しなければならない状態のため、症状によっては入院が必要になることもあります。
今回は妊娠悪阻がいつから始めるのか、時期や入院が必要な状態について紹介します。
・妊娠悪阻とつわりの違い
妊娠悪阻とつわりを分ける明確な基準はありませんが、症状の重さによって区別されています。
そのため期間はつわりと同じで、早い人だと妊娠4週から始まり妊娠16週頃まで続くのが一般的です。
ピークは妊娠8週から11週と言われています。
つわりは一過性で食欲がなくなったり、嘔吐、眠気、倦怠感などですが、妊娠悪阻の場合はこれが1日中続き、日常生活がまともに送れない状態になります。
母体の機能が損なわれる心配があるので、医師によるケアが必要になります。
・妊娠悪阻の症状
つわりの場合は妊娠による生理現象なので母体に影響はありませんが、もし次のような症状が出たら病院へ行きましょう。
- 1日に5回以上吐く
- 水分を全く受け付けない
- 体重が5㎏(体重の10%)以上減る
- トイレの回数が極端に減る
- ここ数日で急激に痩せた
- 尿にケトン体が出る
妊娠悪阻の状態で怖いのは、1日に何度も吐くのに水分すら受け付けない状態です。
脱水症状を引き起こし状態が悪化すると、全身の機能が低下しかねません。
その場合は病院で点滴をして、水分や栄養補給を行います。
状態によってはそのまま入院になることもありますので、気になる症状があれば早めに病院へ行きましょう。
・妊娠悪阻で入院が必要なケース
通院して点滴治療を行う場合、家では絶対安静が条件です。
重症化している場合は入院して治療を行います。
妊娠悪阻には3つの段階があり、第1期は軽症期で通院治療をすることが多いですね。
何も食べていないのに嘔吐するので、胃液や血液を吐き戻します。
また、体重減少や脱水症状がみられ、尿が減り、尿の中にたんぱく質が確認されます。
第2期の中毒期は、第1期がさらに悪化し、ケトン体が確認されます。
代謝異常が起こると中毒症状が起こるため、入院が必要になることもあります。
第3期は重症期です。
脳神経症状が出始めるので幻覚や幻聴、視力障害などの症状が出始め、妊娠を継続することも危ぶまれる可能性があります。
入院して治療を行いますが、母子ともに危険な状態です。
・赤ちゃんへの影響は?
妊娠悪阻になっても、基本的にお腹の中の赤ちゃんは大丈夫です。
赤ちゃんは卵黄嚢という栄養の貯蔵庫を備えているので、妊娠初期は必要な栄養を自分で補うことができます。
また、母体が優先的に赤ちゃんに影響を送るようになるので、赤ちゃんへの影響は最小限に抑えられます。
しかし脱水症状や飢餓状態になると母子共に危険です。
重い妊娠悪阻になった妊婦のごく一部ですが、低体重児が生まれる報告があります。
つわりや妊娠悪阻の状態は周囲の人からは理解されず、病院へ行くのをためらってしまいそうですが、放っておくと母子ともに危険になります。
できるだけ早く治療を始めるべき病気なので、周囲の言葉に惑わされず自分の体調を見極めて受診するようにしましょうね。
IM000406 / subewl
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